オールドマックで作るルータ

 ゾーンゼロの秘密やどかり基地では、128k の常時接続サービス用の簡易ファイアウォール兼ローカルルータとして Mac IIci を使っていたのでそれについて書こうと思っていたのだが、最近ようやくウチの近所でも Flet's ADSL サービスが利用できるようになったので、この IIci を ADSL 接続用ルータに転用することにした。 その様子を紹介しよう。

■今回の厳選素材

  1. Macintosh IIci(アクセラレータ付き)
  2. NuBus Ethernet カード × 2枚
  3. 漢字Talk 7.5.5 + OpenTransport 1.1.2
  4. IPNetRouter 1.5.4(ソフトウェアルータ)


※上に乗ってる白い箱が NTT 様より借り受けている ADSL モデム。

■調理法

 まず、漢字Talk 7.5.5 と Open Transport 1.1.2 をインストールしてから、フレッツ接続ツール、IPNetRouter をそれぞれインストールする。(フレッツ接続ツールの正式なシステム要求は Mac OS 7.6 以上だが、7.5.5 でも動くので気にしない)

 インストールが終わったら、フレッツ接続ツールを起動して正常に接続できることを確認する。 そして、オプションを下図のように設定。

 しかし、「接続前に実行して下さい」とは何ごとか、なにが悲しゅうて人間様が接続ツールごときにお願いしなくてはならないのだ? このツール、インストーラーのできばえとすばらしいセンスのアイコンを見た時点で既にいや〜な雰囲気をムンムンさせているのであるが、予想に違わず面妖なソフトだ(EnterNet と同じもののようである)。 でも、Mac OS X が走るとか、PowerMac なら他に選択肢もあるが 68k Mac では、これを使うしかない。

 気を取り直して、IPNetRouter を起動して設定する。 ADSL を使う場合の設定がマニュアルにあるのでおおむねその通りに設定すれば良い。


※すぐ後の文書で書く理由により、Dial On Demand や Remain Connected はチェックしても無駄である。

 さて、これで一応ルータとして機能するようになったが、頭の痛くなる問題が...

 マニュアルにも、恥ずかし気もなく胸を張って堂々と書いてあることだが、信じがたいことに、このフレッツ接続ツール自動接続をサポートしていないのだ(自動接続だけでなくシステム終了時の自動切断もサポートしていない)。 おまけに WAN 側のインターフェースが落ちると IPNetRouter がズッコケてしまうのだ。

 このため、回線が切れたとか、マシンがフリーズした等なんらかの理由で再起動した場合などいちいち人間様がフレッツ接続ツールの様子を見て接続を確認し、おもむろに IPNetRouter を立ち上げてやらねばならないという便利すぎて涙がチョチョリーナな状態になってしまう。

 しかたがないので、REALbasic を使って、システム起動後しばらく待ってからフレッツ接続ツールを起動して接続完了後、ルータ設定ファイルを開くユーティリティを作成して対処することにした(マニュアルには書かれていないが、フレッツ接続ツールは AppleScript で制御できる)。

 このユーティリティ BakaFlet'sADSL のエイリアスを起動項目に放り込んでおくことで、ルータマシンにキーボード・マウス(モニタ)を付けていなくてもリセットスイッチを押すだけでなんとか復帰できるようになった(はず)。

 ここまで読んで気付いたと思うが、NIC を2枚差しした古いマックが夢まくらに立ったとか言うんでなければ、おとなしくブロードバンドルータを買った方が幸せである。 まてよ、それじゃこの記事意味ないじゃん(^^;。

(2001/6/18)

 数日稼動させて落ち着いたところで、FTP で転送能力を調べてみたところ、800kbps 程度は出ている。 これでも 128k の6倍以上なのだが、設置場所の回線品質からいうとフルスピードが出てもおかしくないはずなのである。 もしやと思ってルータマシンを Power Macintosh 8100/80 に変更してみた(ソフトウェアの構成は同じ、ただし PPC 用)ところ、ほぼ NTT のいう最大速度(1.5Mbps)が出ていることを確認できた。 128k くらいなら問題なかったのだが、どうやら、1.5Mbps は老齢の IIci にはきつかったようだ。

(2001/6/22)

■Yahoo! BB

 ヤフーBBが開通したのでこっちでも試してみた。 こちらは、PPPoE 方式ではなく DHCP クライアントとして動作させればいいので、けったいな設定ツールに悩む必要もなく接続はしごく簡単である。 Quadra800 に NuBus Ethernet カードを増設してルータ化。(Quadra の上に乗っている黒い箱が Yahoo! BB の ADSL モデム) スループットは、2.2Mbps 程度であった。 フレッツ ADSL よりましだが、8Mbps には程遠い。

 それにしてもヤフービービー、ちまたの評判「開通しない、解約できない」通り(&毎度お馴染み NTT 西日本のボケかましが相まって)、申し込んでから開通するまで2ヶ月以上もかかった(サポート電話はいつも話し中、サポートメールの返事はこない等の特典付き)。 おまけに開通した翌日、Web 上でステータスを確認すると、「NTT局舎内工事申請内容修正・再申請中」だそうである(^^;。

(2001/12/4)

 開通してしまえばそこそこ快適な Yahoo! BB 数日後、再度 FTP で転送能力を調べてみたところ 4.5Mbps を記録した。 のはいいが、とっくに開通してるんだから「ISDN回線からアナログ回線に戻す工事をNTTに依頼してください」という全く同じ内容の SPAM まがいメールを次々送ってくるのはやめてくれる? > Yahoo! BB

(2001/12/9)

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