デスクトップクライアントとしての現役を退いた 68k Mac にはサーバとして余生を送ってもらうのが一番だと私は考えている。 ところが、悲しいことにマック用サーバ系のソフトはどんどん PowerMac 専用になってきているのだ。
そんな、やり場のない怒りを NetBSD/mac68k にぶつけてみよう。 ちまたでは Linux 全盛だが、やはりマックに載せるなら BSD でしょう、Mac OS X も BSD インターフェースを持ってることだし。 これで、68k Mac も後20年は使える(ハードが壊れるって(^^;)。
NetBSD/mac68k のインストールについてはインターネット上にもそこかしこに情報があるし、書籍も発売されているのでいまさら必要無いかとも思ったのだが、軽く解説しておこう。 この例は、Centris 660AV (RAM 68MB, HDD 500MB)に、NetBSD/mac68k 1.5 の ISO イメージを CD-ROM 化したものからインストールする場合である。
- CD-ROM ドライブから Mac OS システムを起動して、内蔵ディスクを初期化、HFS パーティションを3つ作成する。 ボリューム名を、Macintosh HD, swap, Root & Usr に、容量はそれぞれ、64MB, 64MB, 372MB とした。
- Macintosh HD に Mac OS をインストールする。 終わったら、Macintosh HD から再起動する。
- 日付 & 時刻 コントロールパネルで、時間帯を 東京に合わせ、正しい時刻を設定する。
- NetBSD/mac68k の CD-ROM をマウントする。
- NetBSD/mac68k 1.5:MAC68K:INSTALLATION:MISC にあるインストール用ユーティリティの自己解凍ファイルをダブルクリックして Macintosh HD に展開する。
- ボリューム swap, Root & Usr をアンマウントする(ゴミ箱へ)。
- "Mkfs" を起動。
- swap のパーティションタイプを変更。 HFS->swap を選んで、[CHANGE] ボタンを押し、タイプ変更ダイアログボックスで、[NetBSD Swap] ラジオボタンを選び [Do It!] ボタンを押す。
- 同じように Root & Usr のパーティションタイプを変更。 HFS->Root & Usr を選んで、[CHANGE] ボタンを押し、タイプ変更ダイアログボックスで、今度は [NetBSD Root & Usr] ラジオボタンを選び [Do It!] ボタンを押す。
- Root & Usr をフォーマット。 [FORMAT] ボタンを押す。 しばらくかかるのでお茶でも飲む。
- フォーマットが終了したら、[Done] ボタンを押して、Mkfs を終了する。
- "NetBSD/Mac68k Installer" を起動。
- File -> Install... メニューを選ぶ。
- インストールファイルを選択するダイアログボックスがでてくるので、NetBSD/mac68k 1.5:MAC68K:BINARY:SETS にある BASE.TGZ, ETC.TGZ, KERN.TGZ の3ファイルを順に選んで [Add] ボタンで Packages Selected リストに加える。
- [Done] ボタンを押すとインストールが始まる。 とっても時間がかかるので風呂にでも入る。
- File -> Build Devices メニューを選んでデバイスノードを作成する。完了したら、NetBSD/Mac68k Installer を終了する。
- BSD/Mac68k Booter 1.11.4a3 を起動。 Options -> Boot Now メニューを選ぶ。
- なにやら、うにょうにょと文字がいっぱい出て、"Enter pathname of shell or RETURN to for sh:" で入力待ちになるので、return キーを押す。
- プロンプトがでるので、
#fsck -p
する。
- 終わったら、
#mount -u /
して、あとはお好きに。
- インストーラによっては、必要なデバイスノードが作られないので、マルチユーザーモードに変更する前に、
#cd /dev
#./MAKEDEV all
しておいたほうが、いいかもしれない。
- とりあえず終了したい場合は、
#halt
である。
しか〜し、NetBSD/mac68k は、インストールこそ Mac OS から簡単にできるが BSD が起動してしまえば、どっぷり UNIX な世界なので、Mac OS のように手軽にはいかない。 書籍やネット上の情報を、自分で調べる努力と根性がない人間には向いていない。
ちなみに、NetBSD/macppc 1.5 は、OpenFirmware のプロンプトから(NetBSDの)CD-ROM を指定してブート・インストールできるので、もっと簡単である。 その気になれば、Mac OS の助けは全く必要としない。