(電源)プッツンサーバー

 動作中に、いきなり電源スイッチを切るとか、電源プラグをコンセントから抜いちゃうという荒技は、家電製品ではできて当たり前だが、コンピュータではやっちゃいけないことの筆頭である。

 そこで、ここでは、電気ゴタツなみのロバスト性を持つ、ディスプレイ・キーボード・マウスいらず、電源スイッチをオン/オフするだけで起動/終了可能なマックサーバーの作り方を解説する。

 素朴な疑問だが、なぜ、いきなりコンピュータの電源を切ってはいけないのだろう? それは、正常な終了手順をふまないと、ハードディスクへの書き込み待ちのデータが失われてしまうからである。

 これなる事実と、「寝る前に食べると太る → でも食べたい → 寝なきゃいいんジャン!」の法則に従えば、ハードディスクへ書き込みを行わなければいつ電源を切ろうが、こっちの勝手なんである。

 すなわち、ハードディスク(ボリューム)への書き込みを禁止してしまえば良いのだ。

 実例としては、他の記事で紹介している LocalTalk Bridge 専用機、タイムサーバー専用機、あるいは画像送出専用 Web サーバー(内容がほとんど変わらず、ログも取らない場合)などに応用できる。(書き込みが必要不可欠なログサーバー、ファイルサーバー等にこの手口は使えない)

 さらに、デジカメの記録媒体として広く普及しているコンパクトフラッシュメモリカードを IDE ハードディスクに見せかける装置(主に産業用の組み込み用途で、最初から IDE インターフェースに接続するように作られたメモリディスク製品もある)なんかを売ってたりするので、内蔵ハードディスクと交換して、こいつからブートするようにすれば機械的に動作する部分は無いし、低消費電力で発熱も少ないので大変よろしいであるぞ。(IDE インターフェースのない機種では無理、IDE<->SCSI 変換ユニットも試してみたがダメだった。 32MB CF だったので容量が小さすぎてアクセス方式が合わなかったのであろう)

 冷却ファンの無い G4 Cube などに組み込めば、動作音が全くしない超静粛マックサーバーになるに違いない(あ、そこのあなた CD-ROM を入れないように(^^;)。 やってみたいのだが、あいにく G4 Cube を持っていない。

■書き込みを禁止する方法

 ボリュームを書き込み禁止にする方法を解説する。 ディスクのフォーマットを行うユーティリティソフトには大抵この機能がついているのだが、せっかく買ってきたハードディスクに書き込みたくない人などめったにいないので意外と知られていない。

1. Apple HD SC Setup の場合、[Drive] ボタンで対象ドライブを選んで、[Partition] ボタンを押す→ [Custom] ボタンを押す→書き込み禁止したいパーティションを選んで [Lock] ボタンを押す。

2. ドライブ設定の場合、ドライブの一覧から対象ドライブを選択して [ファンクション]-[ボリューム設定...] メニューを選び、ボリュームリストから書き込み禁止したいボリュームを選んで、[書き込み禁止] チェックボックスをチェックする。

■電源の問題

 ディスク以外に、もう一つ問題がある。 そもそもソフトウェアから電源を切ることができない LC シリーズや、Power Macintosh 6100 などはよいのだが、電源管理用の IC を搭載した(キーボードのパワースイッチから電源を入れられる)機種では一旦電源の供給を断つと、再び電源が回復しても、ほっといたらマシンは眠ったままである。

 電源回復と同時に自動的に起動させるには、背面の電源スイッチをマイナスドライバなどで押し込みながら回してオンの状態にロックしておく必要がある。 この機構がない機種では「自動電源オン/オフ」コントロールパネルの、[停電後、自動的に再起動] チェックボックスにチェックを入れておく。

 これで、ディスプレイ・キーボード・マウスは取り外しちゃっても、スイッチ付き電源タップなどを付けておけば、いつでもブチブチ電源を入り切りできるのでとっても便利である。

(2001/10/11)

 読者の山口さんからの質問、「現在使用中のディスク」と言われてロックできないんですけど? ・・・ 通常、フォーマットユーティリティでは、安全のため開いているファイルがあるディスクに対する操作はできない。 ゆえに、CD-ROM や、外付けのハードディスク等を用意して、対象となる(書き込みを禁止したい)ディスク以外のデバイスから起動する(システム、ユーティリティとも)必要がある。

(2001/11/22)

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