バーチャタイパー マニュアル

Boris Calligraphy 補助ユーティリティ

 Final Cut Pro は、Apple が販売しているプロフェッショナル向けのビデオ編集ソフトである。 Final Cut Pro 2 まではテキストジェネレータが貧弱で、ちょっとこった字幕スーパーは Adobe Photoshop などで作らねばならなかったのだが、Final Cut Pro 3 には Boris Calligraphy というスーパー作成を強化するソフトがおまけで付いてくる。 このソフト、英語版(日本語マニュアル付き)なのだが、日本語も入力できるし縦書表示オプションまである。 スーパー作成の効率化と表現力アップが図れると喜んだのだが、が、が、が、ガ。

 テキストエディタなどで打ち込んだスーパー原稿書類からカット&ペーストで日本語文章を入力しようとすると文字バケバケになってしまうではないか〜! ならば、ファイルから読み込んでみよう、ダメだバケバケ。 お〜い、クソ長いロールスーパーをいちいちキーボードから打ち込めというのか?

 おまけに縦書きはたてがきで、縦方向に表示されるのはいいがグリフは横書きのままじゃないか〜、ぐげ。 ひどいわ、ひどいわ。 いろいろやってみたが私の知能(オランウータン++)では上手く日本語文章を他のソフトから取り込むことはできなかった。 使えそうで使えないようで使える絶妙のソフトウェアデザインである(笑)。

 アップル社にも問い合わせてみたが、そのような現象は確認していないそうなので(2002/4/22 14:43 現在)、私だけ不幸なのかもしれない。 まあ、そもそもアップルの純正品ではないのでサポートしてくれというのも刻かもしれないが、それならパッケージに売り文句として書いてるのはなぜ? キジも鳴かずば撃たれまいにである。 そこで!

「バーチャタイパー」登場である

 REALbasic を用いて作られたアプリケーション(一部、CodeWarrior C/C++ によるプラグイン使用)。 クリップボードの内容を、さもキーボードから打ち込んだかのように見せかけるユーティリティ。 Mac OS 9.2.2 で動作する。(Mac OS X では使えない)

使用方法

 スーパー原稿テキスト作成に、SimpleText を使っているものとして説明する。 

  1. Final Cut Pro で Boris Calligraphy の好きなジェネレータをシーケンスに配置し日本語テキストが入力できる状態にする。 キーボードスクリプトは日本語(ことえり等)に切り替えておく。
  2. SimpleText で、スーパー原稿から入力したい文章を選択して「編集/コピー」メニューを選ぶ。
  3. アプリケーションメニューでバーチャタイパーに切り替え、バーチャタイパーウィンドウの上段にクリップボードの内容、下段にこれから自動タイプされる内容が表示されているのを確認する。(縦書きにしたい時は「縦書きコードに変換」チェックボックスをチェックする)
  4. Final Cut Pro を手前に持ってくる。
  5. 自動的にタイプ(打ち込み)が始まるので終わるまで待つ。(途中でやめたくなった時はアプリケーションメニューでバーチャタイパーを選んでフロントに持ってきて「クリア」ボタンを押す)

※バーチャタイパーは別に Boris Calligraphy 専用というわけではなく(他に用途があるのかと聞かれると困るが(^^;)、背面にまわると最前面にあるアプリケーションに対してキーダウンイベントを送りつけるという仕様になっている。 使い方を間違えると、思いもよらぬところにテキストがわらわらと打ち込まれてしまうので注意。

ダウンロード: virtuatyperv1.sit(約 532KB)

− 配付条件 −
 営利を目的としないかぎり、自由に配付可能とする。 商業誌への掲載・収録などについては、作者へメールして許可を得ること。

■免責事項など

 このソフトウェアを使用もしくは使用できないことによって生じたいかなる損害についても、筆者は一切責任を持たないので自己責任で使用してもらいたい。

 こんなアホなことをしなくても解決できるという方法を知っている方は、笑ってないで教えてもらえるとありがたい...

(2002/4/22)

■Boris Graffiti だと大丈夫?

 日本において Boris Calligraphy のウルトラ強化版である Boris Graffiti という製品を発売している株式会社 イメージ ワンに同様の問題が発生しないかと、お話をうかがったところ即座に検証してくださり Boris Graffiti についてもこの問題が発生することを確認し、Boris シリーズのメーカーであるアーテル社に調査・修正を要望するとの回答をいただいた。 すばらしい対応である。 プロ向け製品のメーカー/販売店はこうじゃなくちゃね。

 これは、Boris Graffiti についての話しであり、Boris Calligraphy についてイメージ ワンがサポートしているわけではないので Boris Calligraphy について問い合わせないように。

(2002/4/23)

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