大画面の薄型テレビ、デジカメ、DVDレコーダーは新・三種の神器なんだそうである。古来の三種の神器、八咫鏡 、草薙の剣、八尺瓊勾玉はあまり電器店では見かけないが注文できるのだろうか?
それはよしとして。
私がDVDレコーダー(DMR-E30)を買ったのはかれこれ1年半以上も前になろうか。このDVDレコーダーは光学ディスクに録画できるのみでハードディスクは装備していない。値段がハードディスク内蔵レコーダーの半額以下だったのと、編集作業はマックでできるからいいやと思ってこのモデルにしたのだ。
ちょうどいいタイミングで某社からMac対応ソフトの付いたDVD Multiドライブも発売されていたのでそれもほぼ同時期に購入した。(ほんとは他のメーカーのドライブが欲しかったのだが)
DVD-RAMに録画した番組からCMなど不要な部分をカットしてあなただけのオリジナルDVD-Rライブラリを。至極のDVDライフが約束されているハズだったのだが... すぐにそこに潜む恐るべき罠に気付くことになる。
それは民放の洋画を録画した日であった。出来上がったDVD-Rの音声が変なのだ。2ヶ国語放送なのでモノラルの音声が日/英で切り替えられるのが正しい姿だが、このディスクはステレオで右から日本語、左から英語の音声が聞こえてくる。
某社に確認したところ、「そのようなディスクの作成には対応していません」という返事。2ヶ国語放送なんて極々一般的だと思うんだが、メーカーとしては開発時に想定できないほど特別なことなのか?
これ以外にもこのソフトいろいろ問題があったため、不具合が起きるDVD-RAMをわざわざメーカーのサポートセンターまで送るなどして対処してくれるように頼んだ結果、数ヶ月後に予定されている「バージョンアップで善処する」むねの回答をもらった。
いろいろと調べてみたところ音声がAC3で2ヶ国語というのがくせ者らしい。DVD Studio Proを使えば「そのようなディスク(モノラル音声 日/英)」を作成できるのだが、いくらなんでも「鶏を割くに牛刀を用いる」だ。
待つこと数ヶ月、未処理のDVD-RAMが十数枚たまるまで待ち続けていたのだがいっこうにバージョンアップは無く、そうこうしているうちにこれら全ての問題を解決できるWindows用のソフトを見つけてしまった。苦もなく目的を果たせるのでこれを購入、ストレスのたまる某社DVDドライブのオマケソフトはプラスチックゴミの日に捨てた。
さてここで、なぜ1年も前の話を蒸し返しているのかと言えば、ようやく出たんである。バージョンアップ版(ちゅうか新商品?)が。いまさら必要ないかと思ったが、ひょっとしたらWindows用ソフトをプラスチックゴミの日に捨てたくなるくらい大幅にグレードアップしているかもしれないので買ってみた。
後悔した。(^^;
何も変わっていない。次のプラスチックゴミの日はいつだろう。
ゴミの収集日がくるまでに、DVD-RAMに録画したトイ・ストーリー2(民放地上波2ヶ国語放送 CMカット8ヶ所 仕上がり寸法:約1時間26分)をDVD-RWに焼き直すためにかかる手間ひまを比べてみよう。
作業名 | かかった時間 |
---|---|
編集(CMカット) | 00:18:10 |
データ書き出し | 01:02:39 |
DVD書き込み | 00:40:33 |
合計 | 02:01:22 |
作業名 | かかった時間 |
---|---|
編集(CMカット) | 00:10:51 |
DVD素材書き出し | 00:19:45 |
AC3デコード | 00:03:54 |
AC3再エンコード | 00:16:32 |
オーサリング | 00:02:26 |
構築 | 00:05:44 |
DVD書き込み | 00:42:25 |
合計 | 01:51:37 |
単純にこの表だけ見るとマックの勝ちだが、喜んではいけない。計測に使ったハードウェアはMacがPowerMac G4 1.25GHz なのに対し、Windows PCはCeleron 2.0GHz/Intel 865Gチップセットというチープなマシン、価格で比べれば半値以下である。使ったアプリケーションソフトの差はもっとひどい、Macの部が58,695円に対し、Windowsの部は13,440円である。
そしてMacの部は作業工程が多い。複数のアプリケーション間を行ったり来たりしながら作業しなければならず、設定も面倒。
マックの負け(T_T)。
もっとも悲しいことは、Windowsの部のほうが編集(CMカット)ソフトの使い勝手が良いことである。MPEG技術を使った製品がうじゃうじゃあるWindows PCに比べて、そもそもアップル自体MPEG-2にはあまり興味がないようなのでいかんともしがたいですたい。
(2004-7-30/2004-08-06)
読者の佐藤さんから「Windowsの部で使用したソフト名を紹介してはどうか」とのメールをいただいた。この記事で実験に使用したのはペガシス社のTMPGEnc DVD Author 1.5とTMPGEnc Sound Plug-in AC-3の組み合わせである。現時点ではTMPGEnc DVD Authorは新しいバージョンの2.0になっているようだ。
(2005-3-5)
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