ビデオの制作などを生業としていると数十枚のDVDを作成しなくてはならない場面に出会うことがある。数千枚でも、数百枚でも、数枚でもなく「数十枚」というのが、これまた中途半端に面倒なのである。専門のコピー業者に依頼するほどでもないが1台のドライブでちんたらやってたんでは日が暮れてしまう。
CD/DVDデュプリケーターと呼ばれる装置も最近は安価なものが出回っているので、そいつを購入する手もあるが、Macに接続した複数のドライブに同時に書き込めたらいいのにと思ったことはないだろうか?
外付けDVD Super Multiドライブ5連発
NTI社の「Dragon Burn」というソフトで可能な他、定番CD/DVDライティングソフト「Toast」の開発元のティップス集には「同一マシン上でToastアプリケーションファイルを複製して複数起動すれば可能」という(珍)裏技が出てたりする。
そんなことしなくてもMac OS X v10.3 Panther以上ならばAppleScriptとシェルスクリプトを組み合わせることで簡単にできちゃうのだ。
そこで、CD/DVD複数同時書き込みを補助するドロップレット「HydraBurn(ヒドラバーン)」登場である。(現バージョン 6.1.11はMac OS X v10.4 Tiger専用になった。まだPantherの人、すまぬ。)
→ダウンロード(hydraburn060111.dmg 約88KB)
まず、Mac OS X標準装備のディスクユーティリティ(Disk Utility)で、複製したいCDあるいはDVDからディスクイメージファイル(イメージフォーマット:DVD/CD マスター)を作成する。もちろん、DVD Studio ProやToastで作成したイメージファイルでもよい。
音楽CDを作りたい場合はトラック毎のオーディオデータファイルを1つのフォルダに集めておく(イメージファイルは使わない)。トラックの書き込み順はファイル名の並び順になる。
準備ができたら次の手順を実行。
※おっとその前に、HydraBurnを使うときはシステム環境設定の「CD と DVD」で、CD/DVDをセットしたときの動作を全て「無視」に設定しておくこと。
ドライブが書き込み動作を行っている最中にターミナルの書き込みプロセスを終了すると「ディスクはパー」になっちゃうので気を付けよう。
HydraBurnアプリケーションアイコンをダブルクリックして起動すると、複数ドライブで一挙にCD-RW/DVD-RWを消去することもできる。
HydraBurnはOS標準の書き込みコマンドを使用するので、サポートされているドライブはディスクユーティリティの[ディスクを作成]ボタン押して確認できる。ここにリストアップされないドライブは使えない。
リストアップされても、使用するマックの機種、ドライブの機能・性能・接続方法、メディアの種類などなどの要因が絡み合ってうまく動作しない場合もある。
例によって、このソフトウェアを使用もしくは使用できないことによって生じたいかなる損害についても、筆者は一切責任を持たないので自己責任で利用のこと。「ドライブを大量購入したのに動かんじゃないか」とか「書き込みに失敗して大量のゴミDISCができちまったぞどうしてくれる」とか文句を言ってこないように。
(2005-03-14)
言い忘れたが、この方法(hdiutil呼び出し)はそもそもCD-DA(音楽CD)の作成には使えない。
(2005-03-27)
HydraBurn v2を開発。HydraBurn v1ではメディアの挿入が検出されない場合がある&ドライブトレイを一台一台閉じるのが面倒という意見があったので、手動押しボタン方式に変更した。本体内蔵と外付けドライブ合わせて9台に同時書き込みできることを確認(低速になるけど(^^;)。
(2005-04-23)
HydraBurn v6.1.11からはv1のターミナル起動方式に先祖がえり。書き込みスクリプトをシェルスクリプトからRubyスクリプトに変更した。書き込みに使うコマンドもhdiutilからdrutilに変更。これによりAudio CDも作成できるようになったがMac OS X v10.4 Tiger付属drutilで拡張された機能を使っているので、HydraBurn v6.1.11はMac OS X v10.3 Pantherでは動かない。
(2006-01-12)
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